酸蝕歯について
酸蝕歯とは
歯は酸に弱い
歯は酸に弱く、酸性度の強い(すっぱい)飲食物に長く触れるほど溶けてしまうってご存知でしたか?体に良いといわれている黒酢、梅、フルーツ、野菜ジュース、クエン酸、美容に良いといわれるビタミンC、スポーツ中や熱中症予防に飲むスポーツドリンク、炭酸飲料、ワイン、ビールなどのお酒などは歯を溶かすのに十分強い酸性です。実は私たちが美味しいと感じる食べ物飲み物はほとんど酸性なのです。さらに、最も強い酸は私たちの胃からでる胃酸です。胃酸は普通口の中には出てこないのですが、逆流性食道炎のある方、食べ過ぎた時、飲み過ぎた時などに、ゲップとともに口の中に出てきます。ゲップをしなくても横になると食道下部括約筋が緩み胃酸が出てくる場合があります。摂食障害で過食嘔吐や反芻、つわりでも胃酸は口の中にでます。
酸性の状態が長期間に及ぶと歯が著しく溶けた状態になります。そのため早期の予防と対策が重要です。
当院は酸蝕歯の治療では長年の実績と豊富な経験があります。
酸蝕歯になりやすい人の特徴
- 炭酸飲料やスポーツドリンクを良く飲む
- フルーツや野菜ジュースを朝食代わりにする
- 柑橘類やキューイなどを良く食べる
- 梅干しや酢漬けが好き
- マヨネーズ、ドレッシングなどをいっぱいかける
- 健康のために黒酢を習慣的に飲む
- クエン酸の入った睡眠サプリ、美容サプリ、筋トレ用サプリを飲む
- 洗口液でうがいをしたり、サプリを飲んでから寝る
- ワイン、ビール、日本酒、焼酎などをよく飲む(特に寝る前に飲む)
- つわりや摂食障害などで嘔吐を繰り返す
- 逆流性食道炎のある方、良く胸やけがする方
他にも市販の歯磨きで強い酸性を示す製品や漢方薬にも強い酸性を示すものがあります。睡眠前に飲むと良く眠れるという顆粒タイプのサプリにクエン酸が入っているものがあります。睡眠中は唾液がほとんど出ないために、寝る前に飲むことは歯にはとても良くありません。
酸蝕歯になるとどうなる?
酸蝕歯になった歯の特徴は?
- 歯がしみやすい
- 歯の咬み合わせの山の部分が凹んでいる
- 前歯の先端が欠けたり奥歯がすり減りやすい
- 歯が細くなる
- 詰め物と歯の間に段差や隙間ができてくる
- 歯のつやがなくなったり色が黄色くなる
- 詰め物が変色したり、詰め物との境が茶色や黒くなったりする
- エナメル質が溶けて薄いためむし歯になりやすい
歯が溶けて強く堅いエナメル質が薄くなることで、より歯が擦り減りやすくなり、虫歯にもなりやすくなります。
酸蝕歯の治療法
酸蝕歯は予防が第一ですが、酸蝕歯になってしまったら、原因と思えるものがあれば、まずはその習慣や病気を治す必要があります。
つわりなどの場合や胃酸の逆流した場合は、まず重曹を水で溶かした液で良くブクブク、ガラガラとうがいをして、胃酸を中和します。胃酸が就寝時に逆流する方はマウスガード内に重曹入りの酸蝕予防ペーストを塗って、マウスガード装着してから寝る。就寝時に胃酸逆流すると歯ぎしりが起きやすいために、歯ぎしりによるすり減り防止にもなります。
MIペーストなどを塗ったり、ポスカFのガムを咬んだりして、再石化促進させることも歯が溶ける予防になります。朝忙しい時に、フルーツを食べてすぐに磨かなければならない時にも重曹水うがいすることは有効です。重曹が含まれる水歯磨きは酸を重曹で中和したうえで、そのまま歯みがきに使える製品です。
歯が短くなる、薄くなる、欠けるなどのために歯を治す必要がある場合は、高性能歯科用接着材を用いたコンポジットレジンによる修復が良いです。健康な歯をさらに削って作る方法は、たとえCAD/CAMというコンピューターを利用して1日ででき、セラミクスやジルコニアであっても酸蝕歯には良くありません。溶けた歯をさらに削らないできれいに治すためにはコンポジットレジンをおすすめします。